集客力の源泉を探る(14)
それでは、どのようにして「良く分からないけど欲しい」と言うニーズに応えれば良いのであろうか。
その一つのヒントに「選択理論心理学」がある。1960年代に精神科医のウィリアム・グラッサー博士が提唱した心理学理論の一つである。
人間には生まれつき人によって強弱の異なる5つの基本的欲求があり(有名なマズローの5段階欲求説とは全く異なる。)、この基本的欲求を満たすように人間は最善の行動を自ら選択するというものである。人間は、外的な刺激に反応して行動するのでは無く、内的に自ら行動を選択するというものである。例えば、雨が降ると憂鬱になるのは、雨が降るという外的な刺激を受けて、憂鬱になっているのでは無いと言うものである。雨が降っても、買ったばかりの高価な長靴が履ける、しゃれた長靴を履いている自分を想像するだけでわくわくする事もある。雨が降った事に対して、自分がどのような気持ちになるかどうかと言うのは、自分が決めるというものである。
この選択理論心理学をベースに人間の行動を考えると、これまでお話ししている「よく分からないけど欲しい」という行動のスイッチを入れるヒントが見えてくるのである。