コンシェルジュノート

2016/06/13 コンサルタントコラム

【ホテル・旅館】きらりと光る売店を目指して 第2回: すぐ取り組める売場改善(ハード面)

前回はホテル・旅館における売店の位置付けの話をしました。
少しおさらいをすると、(1)売店運営にとってショップコンセプトは不可欠、
(2)ショップコンセプトはホテル・旅館のコンセプトと同じ方向を向いているこ
とが重要、(3)ショップコンセプトは売店担当、経営幹部、他部門スタッフと共
有するためにも明文化が必要という話をしました。

ショップコンセプトが固まったら具体的な売場づくりです。一人でも多くのお客
様に、1点でも多くの商品をお買い上げいただくような売場を目指さなければな
りません。

売上=客単価×人数

ですね。売場づくりもこの考え方で臨みます。

では具体的にどういう改善策を考えるか?

もう少し詳しく見ていきます。客単価をブレイクダウンすると、

客単価=(1)動線の長さ×(2)立寄率×(3)視認率×(4)買上率×(5)個数

という5つの要素に分けられます。

売店でのお客様の動きにあてはめると、(1)できるだけたくさん売店内を歩き回
ってもらい、(2)できるだけ多くの棚に立ち寄ってもらい、(3)できるだけ多くの
商品に目を止めてもらい、(4)できるだけ多くの種類の商品を選んでもらい、(5)
できるだけ多くの個数をカゴにいれてもらう。これにより客単価がアップすると
いうわけです。経営幹部から売場担当まで理解しやすいシンプルな考え方ですね。
売場づくりを進めるためには、まずこのシンプルな考え方を関係者がしっかりと
理解することが重要です。売場改善を進めるときも、(1)から(5)のどの部分に効
果があるのかを意識すると、効率的・効果的に改善を進めることができます。

でも具体的にどういう改善策を実施するか?
お客様の動きをブレイクダウンして、改善策をぶつけていくのはわかったけれど
も、具体的にどうすればよいのか。もう一つの考え方を紹介します。それは、お
客様の(と言うより人間またはヒトとしての)身体的特徴と心理的側面を意識し
ながら改善を進めるとうことです。わかりにくいので具体例を挙げると、身体的
特徴とは、(1)ほとんどの人は右利き(=右側に置いてある商品の方が手を出し
やすい)、(2)手は2本しかない(=両手で抱えられる商品数には限度がある)
(ヒトの一般的な身体的特徴を表現するために用いたものであり差別的意図はま
ったくありません)、(3)顔を前に向けて歩く(=通路真横の商品は見づらい)、
(4)高齢者は小さな字が苦手(=小さい字は読みたくない)、(5)子どもは高い棚
には手が届かないなど。心理的側面とは、(1)一般的に女性は買物好き、(2)一般
的に男性は買物嫌いなどが代表的です。身体的特徴と心理側面を無視した売場づ
くりはあり得ないということです。いくら素晴らしい商品を揃えても、高い棚に
置いたのでは子どもは見ることができませんし、小さい字でPOPが書いてあると
高齢者は敬遠します。

いろいろ話したのでちょっと整理します。まず売上を伸ばすためには、客単価を
増やすか客数を増やす必要があります。次に、客単価を増やすには、お客様の動
きに合わせた5つの要素(動線の長さ、立寄率、視認率、買上率、個数)を高め
る改善策を考えます。そして、人間またはヒトとしての身体的特徴、心的側面を
意識した具体的な改善策を実施します。端的に言うと以上のようになります。

これらの考え方を踏まえて、すぐ取り組める売場改善を検討しましょう。

あなたは温泉旅館売店の店長です。山間部に立地する当旅館は50室の客室を有し、
眺望が素晴らしく山の幸が豊富。季節ごとに趣向を凝らした料理長の会席料理は
評判がよく、60歳以上の年配客や家族連れを中心に賑わっています。客室から大
浴場、食事処へ行くにはロビーを横切るため、ロビーに立地するあなたの売店は、
お風呂や食事前後に多くのお客様が訪れます。売店には、旅館自慢の温泉饅頭、
煎餅、洋焼き菓子、乾麺などの手土産品、名物の漬物(朝食で提供している)、
県内産を中心とした地酒、石けん・シャンプー(大浴場で提供)、郷土玩具、キ
ャラクターグッズなどが並んでいます。

さて、あなたは売上をもっとアップさせようと売場改善を考えています。レイア
ウト、照明、棚割りについてどのように改善を進めていけばよいでしょうか。

次回は改善策について考えてみます。そして、POPや接客などソフト面の改善も
検討したいと思います。