コンシェルジュノート

2011/04/25 コンサルタントコラム

老舗ホテルの未来はあるのか④

 老舗の捉え方が経営者と顧客では異なることが、今後の老舗の経営を左右することとなる。しかしながら、ほとんどの老舗は、過去の成功と栄光にとらわれており、顧客の視点を見失っていることが多い。どうしても、顧客は老舗の本当の良さを分かっていない、もっとよく知れば老舗のことをもっと好きになってくれるはずだと、思い込んでしまうのである。

 老舗がどれほど顧客に受け入れられているか知りたければ、リピーターではなく、数回は利用したことがあるが自らは積極的に利用しようとしない顧客、そして一度も利用したことのない顧客の声を聞くべきである。このような顧客の声が最大のヒントになる。

 但し、これだけでは老舗の良さを活かせずに、周辺の新興ホテルに負けてしまうだろう。ハードは老朽化しているだろうし、機能的にも見劣りしてしまうからである。やはり、顧客から見た老舗の「良さ」とは何か、を追求すべきである。それは、他のホテルにはない、何とも言えない時を超えた安らぎであったり、神秘的な建造物であったり、おもてなしへのこだわりであったりするであろう。老舗ホテルの数の分だけ、この「良さ」があるはずである。

 この「良さ」と40代以下の顧客を取り込んでいく新たな取り組みを組み合わせるところに老舗ホテルの生きるすべがあるのではなかろうか。

 

おわり