コンシェルジュノート

2012/07/17 コンサルタントコラム

出口戦略(2)

 まず、中小企業金融円滑化法について簡単におさらいしておきたい。
 金融機関が企業に貸し出ししている債権は、企業がきちんと利益を出して、約定通り返済している限り、正常先として問題ないとされている。しかし、企業が赤字体質であり、約定通りの返済が出来なくなると、条件緩和債権として不良債権(厳密に言うと要管理債権以下の債務者ランクのもの)として見なさないといけなくなる。そうなると金融機関はどうしなければならないかというと、一定額の引当を積まないといけなくなる。引当を積むと、金融機関の利益を減らすことになってしまう。そのため、不良債権が増えてしまうと、どんどん金融機関の利益が減ってしまうということになる。
 リーマンショックや東日本大震災など大幅な外部環境の変化が起きたときは、そのままでは収益の悪化した企業が大幅に増えて、不良債権も大幅に増えてしまう。そうなると、金融機関の利益が大幅に減ってしまい、世の中に金融不安を起こしてしまう。それはまずいと言うことで、政府が打ち出したのが中小企業金融円滑化法なのである。
つづく