コンシェルジュノート

2010/03/31 コンサルタントコラム

顧客満足を高めるためには①

 317日の日経新聞及び日経MJにてJSCI(日本版顧客満足度指数)の調査結果の発表があった。これによると、顧客満足度で高い評価を得た企業は、第1位が東京ディズニーリゾート、第2位がECカレント(ネット通信販売業)、第3位があきんどスシロー(回転寿司、飲食業)であった。それ以降もジャパネットたかた、アマゾン、じゃらん、スーパーホテル、サイゼリア、帝国ホテル、餃子の王将などがランキングされている。

 この顧客満足度指数の考え方はブランド戦略の思想も取り入れた非常に分かりやすい評価方法を取り入れており、顧客満足度を評価するにあたって下記の6つの視点で捉えている。

 顧客期待・・・利用前の期待・予想

 知覚品質・・・実際にサービスを利用した際の品質評価。単に機能や性能だけではなく、信頼性や雰囲気、デザイン、ストーリー性などの感覚的な価値も含んだ広い品質

 知覚価値・・・受けたサービスの品質と価格を比較しての納得感やコストパフォーマンスなど

 顧客満足・・・利用して感じた満足の度合い

 クチコミ・・・利用したサービスの内容について、肯定的に人に伝えるかどうか

 ロイヤルティ・・・今後もそのサービスを使い続けたいか、もっと頻繁に使いたいかどうかなどの利用動向

そして、これらの関係は下記の図のようになるとしている。

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出所:サービス産業生産性協議会「平成21年度JCSI調査結果発表」プレスリリース

 

 つまり、消費者は事前の期待を上回る品質評価をしたならば顧客満足に繋がり、あるいはお得感も高まって顧客満足に繋がる。その結果クチコミをしたり、何度も利用したりするようになると言うことである。だからこそ、これらのランキングには非常に納得感がある。

 

 顧客満足だけではダメであるが、それがクチコミになり、何度も利用するようになるからこそ企業の収益は上がる。そして、そのためには事前の期待を良い意味で裏切るほどの良い体験が出来たと感じ、価格的に納得感があることが必要なのである。すなわち、知覚品質と知覚価値を上げることが企業の収益を上げるためには重要であることが分かる。逆に知覚品質と知覚価値を上げれば不況に負けない経営が可能になると言うことである。