戦略再構築を起点とした組織活性化支援
戦略再構築と組織開発を一体で進め、主体的に動く組織へ転換
戦略不在と組織の分断により停滞していた企業に対し、戦略再構築と組織開発を同時に推進。経営陣と現場を巻き込んだプロセスによりビジョンと具体施策を策定し、管理会計・人事制度の整備まで一体で支援した。結果として、収益性の改善に加え、現場の主体性や部門連携が強化され、実行力ある組織への転換を実現した。
クライアントが抱えていた課題
課題1:既存事業依存からの脱却
地方で複数拠点を展開するサービス業として、創業から20年続く主力サービスにより、長年黒字を維持してきた。しかし市場ニーズの多様化を捉えた競合企業の台頭により、ここ数年の業績は悪化。従来のサービス体系だけでは成長は難しい局面を迎えていた。次代を担う収益の柱が見えず、経営戦略の再構築が求められていた。
課題2:組織運営の見直しと現場の一体感の醸成
社内では全社的な戦略不在のほか、役割・権限の曖昧さ、部門間連携の弱さ、管理職のプレイヤー化、現場社員の指示待ち姿勢など、組織面の問題も顕在化していた。創業当初は理念を元に一体となっていた組織が、いつの間にか個人主義に走る従業員も見られ、一体感が失われていた。
課題3:管理会計や人事制度の仕組みの確立
部門別損益や案件別の採算がタイムリーに見えず、実績の確認や改善判断が遅れがちであった。人事制度も勤続年数や属人的評価に依存する面があり、授業員のモチベーションは上がりづらい環境だった。数年前には1年で10人弱の離職が発生していた。実績や進捗の確認、組織人事の仕組み化が急務になっていた。
Xoneの支援アプローチ:戦略策定を組織活性化につなげる、従業員巻き込み型の支援
私たちは本件の本質的な問題点を「環境変化に戦略と組織が適応できていなかったこと」と捉えました。成長戦略が不明確であるために組織全体で主体的行動が減り、競合の伸長に対応できず、業績が悪化していました。そこで、全社戦略の再構築と社員の主体性を高める組織開発を同時に進める支援を行いました。
STEP 1:現状分析により、経営課題と組織課題を可視化
- 経営陣、管理職、現場社員へのインタビュー、従業員アンケート、データ分析を行いました。企業や各事業の成り立ちや思い、過去の重要な意思決定、ビジネスモデル、組織構造・役割分担、競争優位などを多角的に検証しました。
- 上記を元に経営組織分析、部門別収益分析、売上分析、業務プロセス分析などに整理し、現状の実態を可視化しました。
- その結果、既存事業依存とサービス体系の硬直化、数値管理不足、管理職のプレイヤー化、社員の納得感不足といった課題が明らかになりました。

STEP 2:戦略策定プロセスを通じた組織開発
- 経営陣と主要メンバーによる討議を重ね、3年後のビジョンとして「地域で最も選ばれる高付加価値サービス企業への転換」を設定しました。
- あわせて、「強みの再定義・磨き上げによる新たな成長領域への進出 、人材・投資の集中」という経営戦略を策定しました。
- 本件では“戦略を作ること”自体を組織開発の機会と位置づけ、経営陣と主要メンバーによる部門横断プロジェクトチームを組成しました。会社の課題、あるべき姿、顧客価値を率直に議論する場を3ヶ月設けました。この場では戦略の他、組織、営業、サービス開発、業務プロセスなどの具体的な取組みも議論し、従業員主導で約30のアクションプランを策定しました(新サービス開発、営業ポートフォリオの整備、重点顧客の設定、業務オペレーションの標準化、人材育成など)。
- その結果、社員同士の信頼関係が強まり、会社の方向性への理解が深まりました。戦略を自分たちの方針として受け止める前向きな発言も出てくるようになりました。
STEP 3:管理会計、人事制度などの事業運営体制の整備
- 管理会計面では、全社戦略を部門別損益計画へ落とし込み、部門別損益管理、月次KPI会議を導入し、数字に基づく対話とPDCAサイクルを定着させていきました。
- 人事面では、等級・評価・育成制度を再設計し、「業務成果」に加え、「改善提案」「部門連携」「部下育成」を評価項目に追加しました。管理職にはマネジメント責任を明確化し、一般社員には目標管理制度を導入しました。
- 弊社は毎月モニタリング会議に出席し、アクションプラン、部門別損益計画の進捗確認、未達時の対応策検討を行った他、営業資料作成や商品コンセプト開発、顧客アンケート実施などの個別支援も行いました。合わせて3ヵ年の中期経営計画の策定を支援しました。
支援結果と成果

業績面の成果
1年後には営業利益率が2ポイント改善しました。部門別損益管理の導入により、収益性の低い事業やサービスへの対応が早まりました。
組織面の成果
業務改善提案件数が月2件から月5件へ増加し、現場からの主体的な提案が増えました。部門横断で議論する機会も増えました。
従業員意識の変化
従業員アンケートでは、「会社の方向性が理解できる、期待できる」「自分の意見を言いやすくなった」「他部署との連携がよくなった」「上司との対話が増えた」との回答が増加しました。アクションプランの取組みが遅れた時も、上司・部下の間で建設的な話し合いが生まれています。