Case/ 事例

コア技術を活かした収益構造の再設計と営業改革支援

戦略・業務・財務を一体で再設計し、自律的成長へ転換した再生支援

売上構造の偏りや経営管理の未整備により収益性が低下していた製造業に対し、現状分析から戦略再構築、金融機関との合意形成、実行支援までを一体で支援した。原価管理体制の構築や営業改革、部門連携の強化を通じて収益構造を改善し、再生から自律的な成長へと移行する基盤を構築した事例である。

クライアントが抱えていた課題

業界トップ水準の品質とオーダーメイド対応力を有する金属製品製造業である。一方で、売上構造の偏りや経営管理体制の未整備により、収益性の低下と資金繰りの悪化に直面していた。

課題1:戦略不在・市場構造の壁

特定の大口取引先および海外商社への依存度が高く、売上の大部分を一部顧客に依存する構造となっていた。その結果、外部環境(市場成熟・カントリーリスク・価格競争)の影響を受けやすく、業績が不安定な状態であった。市場自体も成熟化している中で、「どの分野で、どのように収益を確保していくか」という中長期的な戦略が明確でなかった。

課題2:実行力・経営管理の壁

製品別・ロット別の原価管理の仕組みがなく、どの受注が利益に貢献しているのかが把握できていなかった。計数管理への意識も十分とは言えず、感覚的な判断に依存した経営となっていた。

課題3:収益構造・業務プロセスの非効率

営業と製造の連携が不十分であったため、受注と生産のバランスが取れず、在庫管理が機能していなかった。その結果、棚卸資産が増加し資金繰りを圧迫していた。さらに、過去の設備投資において投資判断の精度が低く、投資が売上拡大に結びつかないケースも見られた。

Xoneの支援アプローチ:一気通貫型コンサルティング

中小企業活性化協議会の事業再生支援スキームを活用し、現状分析(デューデリジェンス)から事業計画策定、金融機関との合意形成、さらに実行支援まで一貫して支援を行った。

STEP 1:徹底的な現状分析と強みの特定(デューデリジェンス)

事業面および財務面の両面から分析を行い、課題の本質と競争優位性の源泉を明確化した。

窮境要因の特定

売上構造、在庫推移、製品別採算、投資履歴等をもとに経営を多面的に分析し、

  • 大口取引先依存によるリスク集中
  • 営業と製造の連携不足による在庫増加と資金圧迫
  • 原価管理未整備による収益性の悪化
  • 投資判断の精度不足

といった構造的な課題を整理した。

コアコンピタンスの抽出

これらを持続的な競争優位性の源泉として定義し、戦略の軸とした。

STEP 2:実現可能性の高い事業計画策定と合意形成支援

分析結果をもとに、実行可能な事業計画を策定するとともに、金融機関との合意形成を支援した。

実行性の高い計画策定

経営者および幹部と議論を重ねながら、「誰が・いつまでに・何を行うか」を明確にした具体的なアクションプランと、売上・原価・資金計画を連動させた数値計画を策定した。

金融機関目線を踏まえた計画設計

収益改善施策を反映したPL・BS・CF計画を作成し、金融機関が納得できる蓋然性の高い計画の策定支援を行った。

利害関係者との合意形成支援

事業調査(デューデリジェンス)では金融機関等の支援機関に対して事業の実態・実情を把握してもらうと共に、事業計画策定支援おいては再生可能性について理解を得ることで、リスケジュールを含む金融支援の合意形成を実現した。

実行支援への移行設計

弊社では単なる金融支援を得るための計画策定に留まらず、実行フェーズを見据えた具体策の提案と、実際の伴走支援を実施している。また、現場目線も大切にしながら企業に合わせた仕組みづくりを支援するため、目的が明確で導入しやすい事業再生の移行設計を行った。

STEP 3:自己変革・自律を促す伴走支援

計画を現場で実行し、定着させるため、企業の実態に合わせた段階的な支援を実施している。なお、優先度の高い施策から着手し、支援は継続中である。

原価管理体制の構築

ロット単位で原価を把握できる仕組みを構築し、受注時点で採算性を判断できる体制を整備。これにより、価格設定の精度向上と不採算案件の抑制を実現した。

営業改革の推進

能動的な営業体制の構築に向けてKPI(顧客接触数、提案数、受注率等)を設定し、行動と成果の関係性を可視化。自社の強みを踏まえた提案内容の見直しを行い、受注待ち型から提案型営業への転換を推進した。

部門連携の強化

営業と製造の情報共有を強化し、受注・生産・在庫のバランスを最適化。過剰在庫の抑制と資金効率の改善を推進している。

経営者への伴走支援

経営者および幹部に対し、コンサルティングの目的や進め方を分かりやすく共有し、現状を正しく認識した上で改善に取り組める環境を整備。企業のレベルに合わせた無理のない施策から段階的に導入することで、継続的な改善活動の定着を支援している。

支援結果と成果

再生から自律への移行フェーズにあり、数値改善に加え、経営基盤そのものの変革が進んでいる。

財務的成果

ロット単位の原価管理体制の構築により、実際原価の想定精度が高まり受注時点で採算性(限界利益○○円/台あたり)の見積ができるようになった。以前の試算表などによる後から利益が出たか否かを知る状態から、受注前に不採算案件の判断が可能となっている。これにより、収益性を踏まえた意思決定が行える体制へと転換した。

組織的成果

経営層および現場において数値に基づく意思決定が浸透し、営業・製造間での採算認識が統一された。組織全体で収益を意識した行動が取られるようになり、自律的な改善活動が進みつつある。また、営業に関しては顧客データベースの設計や管理に加えて、営業活動の見える化を行うことで、「どの営業担当の、どの段階の、量か質の問題なのか」を把握できるようにすることで管理者フォローや具体的な改善箇所を特して行動計画を策定する仕組みを導入し、受注に向けた組織的かつ能動的な営業体制に変革している。

実行された具体的な施策

関係者との信頼関係構築

金融機関との合意形成を通じて企業を含めた各関係機関との信頼関係を構築することで、再生後も継続的な支援体制を確立している。経営者からの信頼を背景に、顧問契約として実行支援が継続している。

経営者の声

「インタビューと工場実査でここまで自社の状況を正確に把握されていることに驚いた。指摘された課題もまさにその通りで、非常に納得感があった。」
「重要だと分かっていても、何から手を付け、どのように進めれば良いか分からなかったが、進め方や事前に決めるべき事項まで整理してもらえたことで、実行に移すことができた。」
「現場の実態に合わせた無理のない進め方で支援してもらえたため、継続して取り組むことができている。」

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