コンシェルジュノート

2015/03/11 コンサルタントコラム

今後の旅館・ホテルの人材採用
《コンシェルジュコラム》旅館・ホテルの人材採用 (3) (執筆: 遠藤 光輔)

前回のコラムは、採用の原則と留意点について述べてきた。
前回のポイントとしては、人材採用は「どのような人を選べばよいか」と会社選ぶ前に、選ばれているということである。

今回は、今後考えられる旅館・ホテルの採用動向について考えていきたい。

■既存人材の育成が最優先

ホテル・旅館業などのサービス業の雇用情勢が厳しくなっていくのは間違いないのは第1回にて述べてきた。では、今後どのような対応ができるであろうか。

人材を採用するにはといことであるが、まずは、今皆様の会社にいる従業員を育てる仕組みを作ることである。今回の採用のテーマからは外れてしまうのでここでは詳しくは記載しないが、今いる従業員は何らかの縁があり会社にて勤務しているわけなので、新たに別ないい人を取ろうとするより、まずは足元を固めるのが先決というわけである。

■自社のファンづくり

次に「採用したい」という状況が発生してからあわてて人材を探すのではなく、自社に興味を持っているような人を確保しておくことである。旅館・ホテル業は一定の地域内では程度の差はあれ、一般的な消費者からの知名度を得ていることも多いだろう。第2回にて述べてきたように、求人に興味をもち応募するわけであるが、いざ仕事を探すという場面になる前から「この旅館・ホテルは良さそう」と思ってもらえていることが大事である。

その為に必要なことは何か。それは一言でいえば評判というわけであるが、今いる従業員の職場に対する満足度を高めておくということである。採用の情報の中で、一番信憑性のある情報は、実際に働いている人の生の声である。自社のファンを増やしていくには、もっとも身近な従業員が自社のファンになってもらうことが第一である。

こんな人を採用したいという前に、なぜ今の従業員が自社にて勤務しているのかを検討することで、自社の魅力に気づくきっかけとなる。

■新しい採用形態

人材不足のなかで、旅館・ホテルにおいても今までの枠組みの中では困難なことが多くなってきている。今まで採用を行っていなかった層の確保というのも今後は必要になってくる。例の一つとして外国人の採用を積極的に実施し人員の確保することを行っている会社もある。

また、雇用形態も様々になっているため、時短勤務での社員の採用なども考えられる。旅館・ホテルの仕事は長時間勤務や休日が少ないなどが考えられるが、業務を変えることで時短勤務でも業務ができないだろうかなども検討の余地がある。

■まとめ

採用市場は今後ますます厳しくなっていく。特に、旅館・ホテル業界は労働集約的な産業であり、人材の確保が運営の重要な点となる。まずは、自社の魅力は何なのかということを発見すること。そして、その魅力を磨いていくことが大事である。もちろん、これらはすぐにできるようになるようなことではない。日々築き上げていくことが、採用を継続的に成功させるポイントである。