コンシェルジュノート

2011/03/29 コンサルタントコラム

老舗ホテルの未来はあるのか②

 二点目は、賃貸契約のもつれから来た資金繰りの急速な悪化である。2002年に過大な負債を一掃しようと東京海上ホールディングの関連会社へ数十億で売却し、そのオーナー会社から賃貸して営業を行っていた。いわゆるリースバック方式でキャッシュを生み出し、バランスシートを改善したわけである。この際の賃貸契約が問題であったようである。そもそも、売却後オーナーは建物自体を建て替えてアップスケールを図り、そこにホテル仙台プラザが入居する予定であったようである。

 しかし、2007年から始まったサブプライムローン問題および2008年のリーマンショックによりこの建設計画が白紙に戻った。ホテル仙台プラザからするとアップスケールのストーリーが絶たれたわけである。しかも、賃料は数年後から増加する契約となっており、施設の価値向上を見込んで賃料支払い余力を見込んでいたホテルとしては、とてもその賃料負担に耐えきれなかったのである。そのため、断続的に賃料改定や条件について協議を重ねてきた模様である。東京海上ホールディングの関連会社側は、仙台地裁に動産差し押さえの申し立てを行い裁判所がそれを承認したため、ホテルの運転資金が不足することになったようである。

                つづく