コンシェルジュノート

2017/10/17 コンサルタントコラム

事業承継に向けた取り組み:第3回 執筆:昌子 弘明

前回までのコラムでは、事業承継の現状、承継方法(選択肢)の多様化などについてお話しました。
また、中小企業の場合は所有と経営が一致している「同族経営(株式は親族、経営も同親族)」「EBO(株式は社内人材、経営も同社内人材)」「M&A(株式は他の事業者、経営も同事業者)」の3つが望ましいというお話をしました。
もちろん、企業の置かれた状況や今後の事業展開によっては、上記3つの選択肢以外の方法で事業承継を図ることもあります。

今回は、所有と経営が一致している3つの選択肢の特徴についてお話します。

1)同族経営(株式は親族、経営も同親族)
・日本では最もなじみのある事業承継の方法である
・後継者が存在し、やる気と能力があれば社内および社外の理解を得やすい
・早い段階で後継者候補を決めておくことで経営者教育や株式の生前贈与などの対策を図れる
・法定相続人が複数いる場合には、経営権の集中に困難性が伴うことがある

2)EBO(株式は社内人材、経営も同社内人材)
・同族経営と同様に社内および社外の理解を得やすい
・従業員が株主となるためモチベーション向上に有効とされる
・株式購入や連帯保証の引き継ぎなど従業員に資金力が必要となる
・株式が分散する場合には経営責任が曖昧になる可能性がある

3)M&A(株式は他の事業者、経営も同事業者)
・事業承継の場合には所有も経営も第三者になることが一般的である
・後継者が社内にいない場合でも外部より広く後継者候補を探索できる
・現オーナー経営者が会社売却の利益を獲得できる場合がある
・従業員の雇用を維持できる(労働条件等は変更されることが多い)

次回は、それぞれの対策についてお話します。
「同族経営やEBO」と「M&A」では同じ事業承継でも対策が大きく異なりますので、その違いについてお話ししたいと思います。